人間の体は60兆個(37兆個という説もあり)の細胞からできていて、その細胞が日々新陳代謝を繰り返しながら私たちは生きています。
そこで大切なことは、新陳代謝を繰り返す細胞が“質のよい細胞”であること。そして質のよい細胞にするためには体質を変えることが必要である、と以前お伝えしました。

『体質 = 細胞の質』です!
質のよい細胞をつくるには、細胞の原料となっている栄養素を必要な量だけとっていく必要があり、原料となっている栄養素は次のようなものがあります。
これらの栄養素がどのようなものか?を知ることで元気な細胞にするためにはどうすればいいか?がわかってくるはずです。
今回は糖質において、
- 糖質の種類
- 糖質の働き
- 糖質制限の間違った認識
についてお伝えしていきますね (^^)
「糖質」ってどんなもの?
糖質とは?
糖質はタンパク質・脂質とならぶ3大栄養素の1つ。炭水化物ともよばれていますが、厳密には違います。
炭水化物は体内で消化・吸収されず、腸まで届く食物繊維も含まれているもの。つまり、炭水化物のうち食物繊維をのぞいたものが糖質になるんですね。

糖質の分類
一言に糖質といっても様々な種類がありますが、大きく「単糖類・二糖類・多糖類」に分類されます。
- 単糖類・・・ブドウ糖(果物や植物の根、コーンシロップなどに含まれる)・果糖(果物やはちみつに含まれる)
- 二糖類・・・単糖が2個つながったもの。砂糖(ショ糖)・乳糖・麦芽糖など
- 多糖類・・・単糖の数が10個以上のもの
- オリゴ糖・・・単糖が3個~10個くらいつながったもの
- 穀類やいも類などの植物に含まれるでんぷん
- 動物の筋肉や肝臓などに存在するグリコーゲン
- 糖アルコールも糖質の一種。
- 果物や野菜・海藻・きのこ、そしてワインや日本酒・醤油などの発酵食品にも含まれる

※甘味料として使わる「羅漢糖(らかんとう)」や「ステピア」など植物由来の甘味成分は、砂糖の数十倍の甘さを持ちながらカロリーはほとんどゼロです。
糖質の働き
① 生命のエネルギー源
糖質である「ブドウ糖」は生命維持にはかかせないもの。動く・考える・寝ている、つまり生きている限り体はつねにエネルギーを消費し続けます。
そして、生命維持の一番のエネルギー源が「糖質」なのです。

- 血液中の「赤血球」
- 激しい運動をするときの筋肉
- 副腎髄質
- 腸の粘膜
- 脳
② エネルギーを蓄える(※ただし肥満に注意!)
炭水化物をふくむ食べ物を摂ると、消化・吸収されてブドウ糖として肝臓に入ります。
その後、肝臓を通過したブドウ糖は全身に運ばれて使われますが、筋肉でもグリコーゲンに変わります。そして肝臓には約100g、筋肉には400gのグリコーゲンを蓄えておくことができるのです。
それでも余った分は、脂肪細胞や肝臓に中性脂肪として蓄えられます。

動いたり・考えたりするために、プラスアルファでエネルギーが必要になった!けれど、血中にじゅうぶんなブドウ糖がない・・。
そんな時には、肝臓で蓄えておいたグリコーゲンをブドウ糖に戻してエネルギーとして活用します。また、アミノ酸や脂質にふくまれるグリセロールを原料にブドウ糖をつくりだして、ブドウ糖を補うのです。
しかし、逆にエネルギー源として使われなかった糖分はどうなるのでしょうか?
先ほど、余ったぶんはすべて中性脂として肝臓や脂肪細胞に蓄えられるとお伝えしましたが、脂肪細胞への貯蔵量は基本的に上限がないので食べれば食べたぶんだけ貯蔵量が増えていってしまいます。
これが肥満といわれるものなんですね。

また、肥満だけでなく糖尿病・脂肪肝・動脈硬化などのリスクが高くなるので注意が必要になります (>_<)
あなたの「糖質制限」は間違えていませんか?
よく、糖質を摂らないとか「糖質制限ダイエット」という言葉を耳にしませんか?この言葉どおり、糖質をカット(制限)して痩せるためにご飯を食べない!という方もおられるみたいですね (^^;)
でも糖質ってなんでしょう?食べなくてもいいものなのでしょうか?
例えば、脳はブドウ糖を蓄えることができないので、脳を働かせるためには常にブドウ糖が必要になります。
また、女性のホルモンバランスを安定させるためには、毎日最低でも240g以上の糖質(ご飯100g中に、37g程度の糖質がある)を摂る必要があります。極端なダイエットは女性の生理が止まったり、卵子に悪い影響を及ぼしたりするのです。

糖質は体のエネルギー源となる大切な栄養素。私たちは食事からエネルギーや栄養を摂り、生命を維持して活動しているのです。
そういう意味では、「タンパク質・脂質・糖質」いずれも食べ物から摂取しなくてはならないものですね。
実は、1つの栄養素を極端に控えるということは、残りの栄養素の構成割合を高くすることになります。結果的にバランスが崩れ、残りの栄養素の摂り過ぎにつながりやすくなってしまうのです。
肥満は消費するエネルギー量以上に、エネルギーを多く摂取した結果。
自分の食生活をふりかえり、エネルギー摂取量が多い原因が糖質を多くふくむ食品に偏っていないか?を調べ、適度に糖質を控えるべきかどうか?を考えることが大切になってくるのではないでしょうか?
知っ得!“人工”と“自然(野菜や果物)”の果糖の違いとは?
人工の果糖(異性化糖)
私たちは、果物を食べていなくても意識せずに「果糖」を摂っています。それが異性化糖いわれるものでなんですね。
異性化糖の原料はトウモロコシのでんぷんです。
実は、トウモロコシのほとんどが遺伝子組み換えなので、それ自体が問題でもあります。しかし、それ以上に恐ろしいことが起こる可能性があるのです。

異性化糖は、低温だと普通の砂糖よりも甘く感じる性質があり、さらにコストが安くすみます。
ですので、炭酸飲料やジュース・加工食品・調味料・ドレッシング・焼肉のタレ・お鍋のスープの素・納豆のタレ・みりん風味調味料・ヨーグルト・調味料など、いたるところで使われいるのです。
果糖は、食事や飲み物でとると消化酵素で分解されず、そのままの形で吸収されます。そしてインスリンは必要なく、血糖値も上昇させません。血液中に入ると大部分は、直接細胞のなかへと入っていくのです。
これは一見、いいことのように思えますよね?
しかし、ブドウ糖より吸収のはやい果糖は余ったぶんですぐに中性脂肪をつくってしまい、肥満やインスリンの抵抗力(耐性)を増やしてしまいます。
余った分が体脂肪として蓄えられ、「メタボリック症候群」や「糖尿病」の発生を加速させてしまうんですね。
また、果糖とタンパク質が結びつくと「AGEs(終末糖化産物)」という、体を老化させる物質ができてしまいます。

この物質は、血管をはじめ血中のヘモグロビンや肌、目や内蔵の臓器、神経まで老化させてしまうのです。
結果として、動脈硬化や白内障、腎臓病や神経障害、それで起こる脳梗塞や心筋梗塞の原因となってしまいます。
さらに異性化糖はジュースや清涼飲料水などから大量の果糖をいっきに摂るので、砂糖の10倍も「AGEs」をつくるといわれています。
異性化糖を摂らないようにするには、できるだけ加工食品やファーストフードは摂らないようにしたほうがいいですね (^^;)
野菜や果物の果糖
では、果物・野菜にふくまれている果糖はどうでしょうか?
実は、これらの食物に含まれている果糖は食物繊維が豊富でゆっくり吸収されるので「AGEs」はあまりつくられません。そしてビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富にふくまれているので、私たちの健康には欠かないものになります !(^^)!
このように果物にふくまれる果糖と“人工的につくった異性化糖では、まったく違うものになるのです。
まとめ
糖質は穀類やイモ類・砂糖などに多くふくまれており、私たちの生命活動のエネルギーになる大切な栄養素の1つです。
糖質に限らず、「タンパク質・脂質」を加えた3つのエネルギー源をバランスよく摂ることは、栄養素の不足や生活習慣病の予防につながります。ですので、むやみに糖質制限をしてバランスを崩さないように気をつける必要があるのです。

まずは、自分の食生活と健康状態を正しく把握しバランスのよい食生活を心がけてみてはいかがでしょうか?
そのときに糖質をコントロールした嗜好飲料やお菓子も、お楽しみにはいいかもしれませんね (^^♪
【次回はこちら↓↓】

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