前回は、環境ホルモンの影響についてお伝えしました。

環境ホルモンの1番怖いところは、
母親が環境ホルモンにさらされると、胎児や乳幼児ほど被害を受けやすい。さらに、大人になってからホルモンに大きな影響がでてくる可能性がある
ということです。
そこで今回は、
- 胎児や乳幼児が大人になってから、どんな影響がでてくるのか?
- 環境ホルモンから身を守るにはどうすればいいのか?
についてお伝えしていきますね。
環境ホルモンの影響とは?
①生殖機能の異常
環境ホルモンは、とく幼胚の段階で卵巣と精巣にダメージを与えます。さらに慢性的にさらされると、いずれ卵巣と精巣の機能不全を招いてしまうのです。
結果として、
- 不妊
- 癌(ガン)
- 女性における、女性ホルモンのバランスの乱れ
- 男性における、精子形成への悪影響
などがおこる可能性があります。
また、オスのメス化といい、女性ホルモンと同じような作用をする物質(環境エストロゲン)が男性ホルモンを妨げて、
- 精子の減少や奇形
- 精巣癌
- 前立腺癌
などを誘発させる可能性が大きくなるのです。

②次世代への影響
環境ホルモンにより私たちの体にはさまざまな弊害がおこる可能性がありますが、何より恐ろしいのは次世代への影響です!
母親が環境ホルモンにさらされることにより、まず被害をうけやすいのが胎児や乳幼。そして、大人になってから内分泌系であるホルモンに大きな影響がでてくる可能性があるのです。

♦脳の機能低下
脳の働きは、胎児・幼児期に性ホルモンが正しく働くことがとても重要です。
また、攻撃性や衝動性をつかさどる神経伝達物質はホルモンの間接的なコントロールを受けているので、ホルモンと似た環境ホルモンが人の神経系に影響を与えます。
その結果、学習障害・多動性・IQの低下・性同一性障害・パーキンソン秒・クレチン病などが起こることがあるのです。

♦知能は発達しているのに文字が読めない
アメリカではLD(学習障害児)という新しいタイプの学習障害が増えていて、近年の日本でも同じような傾向がみらます。
学習障害児とは、「聞く・話す・読む・推理する・計算する」といった基本的な能力が1つ以上、習得・使用できない状態。知能遅れがあるというより知能の発達に部分的な偏りがあるため、学習することができないのです。
そして、学習障害児はADHD(注意欠陥多動性障害)を合併していることもあります。

2012年の文部科学省の発表では、日本における軽度の学習障害児は就学児の6.5%とありますが、実際は10%ほどいるとみられています。
さらに、大人の発達障害の増加傾向もみられているのです。
環境ホルモンから身を守るには?
現在の日本において環境ホルモンを減らすのは、すごく難しいことになっていますよね。しかし、できるだけのことをして環境ホルモンの害から体を守っていかなければ人類の未来はどうなるのか心配です・・ (>_<)
では、できるだけ環境ホルモンから身を守るにはどうすればいいでしょうか?
まず、環境ホルモンになるものは使わない・食べないこと。次に、栄養をきちんと摂ることです。
これにより肝臓や腸などがよく働いて環境ホルモンを解毒(分解したり、便として排出)してくれるようになります (^^)
そして、植物エストロゲンをふくむ食品を、しっかりと食べること。
植物性食品にふくまれる植物エストロゲンは、「環境エストロゲン」と「受容体(レセプター)」を奪い合います。
つまり植物エストロゲンが「レセプター(受容体)」に結びついてしまえば、環境エストロゲンは作用できなくなり害を減らすことができるのです (*^^*)

環境ホルモンを排泄(解毒)するには?
現代の人は解毒が必要といっても過言ではありません。とくに妊娠を望むかたには、とっても大切なことになります。

解毒は体をきれいにする過程。そして、解毒するには毒素の摂取量を減らすこと、排泄の改善など食事とライフスタイルの改善が必要になってきます。
① 毒性のない食事
(〇)できるだけいつも有機食品を食べる
(〇)しっかりした内容の浄水器をつける
(〇)食べものを回転させながら食べ、アレルギーがおきないようにする
(〇)食べ物の組み合わせを考える
(〇)“旬”のものを食べる
(〇)“自然のもの”を食べる
(〇)野菜・果物・全粒穀物・豆類・種やナッツ・少量の低脂肪の乳製品・新鮮な魚・有機栽培の鶏肉
(〇)ステンレスの調理器具を使う
(✖)赤みの肉・加工肉・内臓肉・精製食品・缶詰・砂糖・塩・コーヒー・アルコール・ニコチン
②栄養素の補給
- 解毒力を高める(肝臓・腎臓・腸)⇒ すべてのビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・食物繊維・乳酸菌
- ホルモンバランスを維持する⇒ビタミンE・マンガン・カルシウム・オメガ3
- 細胞へのダメージを減らす⇒βカロチン・その他のカロチン・ビタミンC・ビタミンE・亜鉛・マンガン・セレニウム
- 性能力を向上させる⇒亜鉛・タウリン・セレニウム
- 神経系を強化する⇒カルシウム・マグネシウム・ビタミンB群
③生活習慣・ストレス・ビタミンB群
良い生活習慣やストレスを上手に受け流したり、運動することも「解毒」には大切になります。
まとめ
確かに、多くの化学物質によって私たちの生活は豊かになりました。しかし・・・、
ある化学物質が、人の健康や野生生物に影響しているのではないか?という視点をもつことも大切です。
そして、その視点に立って環境ホルモンをどう考えるか?を、地球規模の問題として私たち人間は考えていかなければいけません。
「環境ホルモンの疑いがあるから“危なそうだ・・」と、たんに注意を払うだけではなく、これからは環境ホルモンについて科学的な考えと行動が一人一人に求められるのではないでしょうか?
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