前回は3大栄養素の1つである、糖質の種類や働きについてお伝えしました。

そのなかで、糖質は生命維持における1番のエネルギー源であるとお伝えしました。
ただし、注意すべきは過剰摂取が体にとって害になるということ。とりわけ糖質においては肥満状態になります。
さらに、肥満と同じくらい注意しなければいけないのが低血糖。
低血糖になると、体にさまざまな症状がおこりますが、最近問題になっているのが子供の気持ちの不安定感です。子供がいる親御さんには、とっても重要な問題ですよね・・ (>_<)
では、なぜ糖質を摂りすぎると低血糖になるのでしょうか?
今回は、糖質と低血糖の関係についてお伝えしていきますね。
「低血糖」って、どんなもの?
低血糖とは?
炭水化物(糖質)の多い食事(ご飯・パン・うどん・果物など)を食べると、消化・吸収されて肝臓でブドウ糖(グリコーゲン)に変えられます。その後、ブドウ糖は血液を通して体中の細胞に送られ、燃えてエネルギーとなるのです。
血液中のブドウ糖の量を血糖値といい、血糖値は通常、血液100㎖あたり“65~105㎖”に保たれています。その血糖値が“70㎖以下”になった状態を「低血糖」といいます。

低血糖でおこる意外な症状とは?
あなたは頭や体を極度に使い、疲労したときに、こんなことはありませんか?
- キレる
- 集中力がなくなる
- やる気がなくなる
- 体から力が抜ける
- 手や足が冷たくなる
- 朝と夕方に疲れ切った感じがする
- たくさん食べた後、心身ともに最も満足感がある
- 昼間、非常に眠くなる
- 甘いものやお菓子がほしくなる
これらは、もしかしたら低血糖が原因で起きている可能性も考えられます。
以前の記事で、脳のエネルギー源になるのはおもにブドウ糖である、とお伝えしました。
一定量のブドウ糖がつねに脳に供給されていないと脳の働きは低下します。そして異常な生理状態になり、さまざまな心身トラブルを引き起こす可能性があるのです。
例えばアメリカでは年間、百万人もの人たちが頻繁に小さな事故や事件をおこしています。これらの事件を起こす人はすぐに怒る・うつ状態になるなど、自分がなぜ、そうなるのか?が分からないのです。
食前が最悪の状態で、食後に最高の気分になる人は低血糖だと思ってくださいね。
インスリンと血糖値の関係
インスリンの働き
先ほどブドウ糖が細胞に入り、エネルギーになるとお伝えしましたが、ブドウ糖が細胞に入るにはインスリンが必要です。
ここで重要になるのが、インスリンを分泌している膵臓という臓器。この臓器は食後の血糖値の状況をキャッチした視床下部や下垂体の指令を受けて、ブドウ糖に合わせてインスリンを分泌します。

膵臓がインスリンをうまく分泌することで、血液中のブドウ糖の量が調整されているのです。
吸収がはやい糖分を摂りすぎると、どうなるか?
砂糖やジュースなど、消化しなくてもすぐに吸収される糖分があります。これらは食べたり飲んだりした直後に大量のブドウ糖として血液に入り込み、血糖値を上昇させてしまいます。
すると、それに反応した膵臓がインスリンを大量に分泌。そして、大量のブドウ糖は細胞のなかで燃えてエネルギーを大量につくります。
その結果、血糖値が急激に下がるという現象が起こるのです。

血糖値が急激に下がると、どうなってしまうのでしょうか?
この状況になるとグルカゴンやアドレナリン・コルチゾル・成長ホルモンなどが分泌され、肝臓に蓄積した”ブドウ糖をさらに血液中に放出させてしまいます。
すると、
再びインスリンが大量に分泌される ⇒ インスリンが多すぎて、甘いものを食べてたくなって食べてしまう ⇒ インスリンが大量に分泌される
といった悪循環におちいってしまうんですね (>_<)
インスリン抵抗性によるリスクとは?
糖分や精製された炭水化物を多くふくむ食事により、血中のインスリン濃度が高い状態が続くと、インスリンがブドウ糖を細胞中に取り入れられない状態になります。
これをインスリン抵抗性といいます。

この状態においても体は大量のインスリンを送り続けます。しかし、インスリン自体が仕事をすることができず、大量の「インスリンとブドウ糖」が慢性的に血液中に存在することになるのです。
その結果、インスリン抵抗性による糖尿病・心臓病・乳がんなど、さまざまな健康上の問題をおこすリスクが高くなってしまうのです。
まとめ
よく、薬物治療を受けている糖尿病の方が低血糖をおこすといわれています。しかし、低血糖は普段の食事のなかでたくさんの糖分を摂り過ぎてしまい、血糖値の急上昇によるインスリンの大量分泌により、血糖値の急下降が原因でおこることもあるのです。
いま、子供がイライラするといった気持ちの不安定感が問題となっています。低血糖により、脳のエネルギーになっているブドウ糖が不足して、さまざまな精神症状をおこす可能性も否定できません。
とくに子供は甘いお菓子を食べたり、お菓子といっしょにジュースを飲んだりするので、糖分を摂りすぎる傾向が強いですよね (^^;)
血糖値の乱降下は子供が低血糖を引き起こす原因になるので、この組み合わせは避けるべきです。

低血糖の予防のため、とくに大切なのは甘いものばかり食べ過ぎないようにすること。そして、なるべくなら血糖値を急激に上げない食生活を考えられるといいですね。
そうすることで、子供の気持ちがイライラするといったようなことも防ぐこともできるはずです (^^)v
次回は、これまでの内容をふまえて低血糖にならないための対策&血糖値を上げやすい食品・上げにくい食品についてお伝えしていきますね !(^^)!
【次回はこちら↓↓】

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