人間の体は60兆個(37兆個という説もあり)の細胞からできていて、その細胞が日々新陳代謝を繰り返しながら私たちは生きています。
そこで大切なことは、新陳代謝を繰り返す細胞が“質のよい細胞”であること。そして質のよい細胞にするためには体質を変えることが必要である、と以前お伝えしました。

『体質 = 細胞の質』です!
質のよい細胞をつくるには、細胞の原料となっている栄養素を必要な量だけとっていく必要があり、原料となっている栄養素は次のようなものがあります。
これらの栄養素がどのようなものか?を知ることで元気な細胞にするためにはどうすればいいか?がわかってくるはずです。
今回は酵素において、
- 酵素の種類
- 酵素の働き
について、お伝えしていきますね (^^)
酵素なしでは、人間は生きられない!?
酵素は、
- 心臓が動く
- 呼吸をする
- 消化をする
- モノを考える
- ホルモンをつくる
など、私たち人間すべての生命活動に必要不可欠なものです。
食べた物が消化・吸収され、体をつくったり調子を整えたりするときに、私たちの体の中ではさまざまな物質が休むことなく分解・合成されています。
こうした化学反応をスムーズに進めるのが酵素なのです。
この酵素は人間の体だけではなく、あらゆる動物・植物・微生物などすべての生き物に存在し、その生命を支えています。
つまり、水素や酸素と同じくらい酵素がなければ、私たち人間は生きていけないとさえ言える存在なんですね。
酵素の種類
酵素には、次のような種類があります。

主な酵素は、消化酵素・代謝酵素・食物酵素の3種類。さらに、これらは以下のように分類されます。
体内酵素:体内でつくりだせる酵素(消化酵素・代謝酵)
食物酵素:外部(食べ物)から取り入れる酵素
とくに体内酵素は何千何万種類も存在し、1つの酵素は1つの働きしかないので体内酵素が欠乏したときが寿命の終わりとなります。
ですので、健康で長生きをするためには体内酵素がじゅうぶんに保たれているか?が関係しているといってもいいですね (^^)
① 消化酵素
消化酵素の種類
消化酵素とは、大きな食べ物の分子を、体内で吸収されるように小さな分子にするため、科学的に分解を手助けする酵素です。
分類される栄養素によって、炭水化物分解酵素・タンパク質分解酵素・脂肪分解酵素の3種類にわかれます。

消化酵素をだす、主な場所
♦ 唾液
・アミラーゼ(炭水化物分解酵素):デンプンを分解して麦芽糖にする。
♦ 胃液
・ペプシン(タンパク質分解酵素):タンパク質を分解して、より小さなペプチド(ペプトン)にする。
♦ すい液
・膵アミラーゼ(炭水化物分解酵素):デンプンを分解して麦芽糖にする。
・トリプシン(タンパク質分解酵素):タンパク質やペプチド(ベプトン)を分解して、さらに小さなポリペプチドやアミノ酸にする。
・膵リパーゼ(脂肪分解酵素):胆汁で乳化された脂肪(中性脂肪)を分解して、脂肪とグリセリンにする。
♦ 腸液
・スクラーゼ(炭水化物分解酵素):ショ糖を分解して、ブドウ糖と果糖にする。
・マルターゼ(炭水化物分解酵素):麦芽糖を分解して、ブドウ糖する。
・ラクターゼ(炭水化物分解酵素):乳頭を分解して、ブドウ糖とガラクトースにする。
・アミノペプチターゼ(タンパク質分解酵素):ポリペプチドを分解して、アミノ酸にする。
② 代謝酵素
代謝酵素は体内で起こるすべての代謝に必要となります。エネルギーづくりから解毒、私たちが食事から摂り込んだ栄養素を体内でさまざまな物質につくりかえています。
例えば、
- 吸収された栄養素を、体内の細胞に届けて有効に働く手助けをする(新陳代謝)
- 毒素を、汗や尿のなかに排出する(有害物質の除去)
- 体内の悪い部分を修復し、病気を治す(自然治癒力)
- 免疫力を高める(ホメオスタシス)
代謝酵素が働いてくれているおかげで私たちの生命は維持されます。そして、酵素の役割分担は1つの酵素に1つ。どこかの代謝で特定の酵素が不足しても、他の種類の酵素がその不足分を補うことはできません。
ですので、酵素不足は深刻な体のトラブルにつながるのです (>_<)
③ 食物酵素
加工食品を食べれば食べるほど、負担がかかる臓器とは?
食物酵素についてお伝えするまえに、消化酵素と膵臓の関係について少しお伝えしていきますね。
私たちの食べたものが消化・分解され、血液を通じて体内に運びこまれるまでには、体は大変な重労働を強いられます。
噛むことから始まって、多くの消化酵素が胃腸管のなかで分泌され、食べものに働きかけて消化されます。そして小腸で吸収され、血液にとりこまれていきます。

こうした一連の消化の過程では、多量の消化酵素が必要になってきます。また、体は何種類もの消化酵素を生産しますが、その過程でも多くの酵素が動員されるのです。
さらに、現代の食生活の大部分をしめる調理・加工された食品を食べると、消化のすべてを体内で生産される消化酵素に依存した消化活動で行われるのです。

つまり、現代の食生活では消化酵素ばかりを消費してしまうということ。その結果、常にオーバーワークを強いられる臓器があります。
その臓器が膵臓なのです。
膵臓には、次の重要な働きが2つあります。
- 消化酵素をつくること
- 血液中のブドウ糖(血糖)の調整をするホルモンを分泌して、血糖値を安定させること
仮に、膵臓が①の「消化酵素をつくる」という働きばかりをしてしまうと、②の働きがおろそかになり、血糖値を安定させておくことができにくくなってしまいます。
確かに、消化酵素は消化器官内の何ヶ所かでつくられ分泌されます。しかし、消化酵素の需要が増えれば増えるほど、膵臓の能力以上に消化液をつくって分泌しなければならないので、大きな負担がかかってしまうのです。
また、本来ならば代謝に使われるはずのビタミン・ミネラル・アミノ酸なども消化酵素づくりのために使われてしまうのです。
このように、消化酵素ばかり消費されすぎて「脂肪代謝・糖質代謝・タンパク質代謝」などに支障がでてくれば、肥満をはじめ、あらゆる生活習慣病につながります。
当然、老化の促進も必然になってきまよね (´Д`;)
食物酵素は、体内の酵素不足を補うわけではない!
それでは、本題の食物酵素についてお伝えしていきますね。
食物酵素は、生の食品や発酵食品に含まれています。生の肉や魚、野菜や果物には食物酵素が多くふくまれ消化を助けてくれるのです。
昔から私たちは、世界中でさまざまな発酵食品を食べてきました。ヨーグルトや乳酸飲料などの発酵乳製品。キムチ・浅漬け・ピクルス・ザワークラフト・納豆・味噌・醤油・甘酒などの発酵食物製品。そして、チーズ・鮒寿司・酒・酵母などがありますね。

しかし、これらの食物を食べても代謝酵素がはたらくわけでありません (>_<)
実は、食物酵素が体内の酵素不足を直接補うことはできないのです!
食物酵素のもっとも重要な働きとは?
では、食物酵素の働きはどのようなものでしょうか?
そう、食物酵素のもっとも重要な働きは事前消化です。本格的な消化活動が始まるまえに、食物酵素が事前に消化を行ってくれるのです。
先ほど、消化酵素の需要が増えれば増えるほど、膵臓には大きな負担がかかってくることをお伝えしました。
しかし、食物酵素が豊富な生の食べ物を食べた場合、事情は大きく変わります。
私たちが口にした食べ物は、本格的な消化活動のための準備が整うまで胃の上にとどまっています。この間、食物酵素なしの食物はほどんど変化しません。
ところが食物酵素がふくまれる食物は唾液による消化に加え、その食物の持っている酵素によって自分自身を消化しはじめるのです。
本格的な消化が始まる前に、糖質なら40~80%、たんぱく質も30%程度の食物酵素によって事前消化されます。そうすることにより、膵臓は食物酵素が事前消化しきれなかった食物の消化酵素をつくるだけでいいのです。

また、余分な消化酵素づくりをしなくてすむので、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・エネルギーなどは、他の酵素づくり・タンパク質合成・組織の維持や修復・治療などのために回すことができるのです。
そうすることで、病気を寄せ付けない・いつまでも若々しい体を維持できるようになるんですね o(^▽^)o
まとめ
人間はバランスよく食べ物を取ったからといって、それだけは生きていくことはできません。
生命活動においては、さまざまな化合物による反応が起こっています。それらの反応のほとんどが、実は酵素の仲立ちがあって、はじめて成り立つのです。
生命あるところに必ず酵素ありといわれるくらい、人間が生命を維持していくうえで酵素は必要不可欠な物質です。
しかし、現代の生活は体内酵素を浪費し、酵素不足になる傾向にあります。酵素が不足すると体が弱り、病気の引き金になるため、酵素不足は万病のもとともいわれています。
酵素を浪費する大きな原因としては、食品の調理方法・化学物質をつかった加工食品・アルコールや過度の薬品使用・ジャンクフードを頻繁に食べるなどがあげられます。
また、風邪や発熱・過度の温度変化にさらされることでも体内酵素を消費します。
健康と若さを保つために、このような体内酵素の浪費を避け、足りない分は食物酵素でうまく補っていく食生活をしていくことが必要になってきますね。
【次回はこちら↓↓】

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