人間の体は60兆個(37兆個という説もあり)の細胞からできていて、その細胞が日々新陳代謝を繰り返しながら私たちは生きています。
そこで大切なことは、新陳代謝を繰り返す細胞が“質のよい細胞”であること。そして質のよい細胞にするためには体質を変えることが必要である、と以前お伝えしました。

『体質 = 細胞の質』です!
質のよい細胞をつくるには、細胞の原料となっている栄養素を必要な量だけとっていく必要があり、原料となっている栄養素は次のようなものがあります。
これらの栄養素がどのようなものか?を知ることで元気な細胞にするためにはどうすればいいか?がわかってくるはずです。
今回はミネラルにおいて、
- ミネラルの起源
- 必須ミネラル&有害ミネラル
について、お伝えしていきますね (^^)
ミネラルって、どんなもの?
ミネラルの起源
ミネラルがつくられたのは、宇宙ができた頃までさかのぼります。宇宙の始まりといわれるビックバンがおきて、その後の超新星の爆発でミネラルができました。
これらの出来事により、地球はもちろん宇宙の星々、そして私たちの体にも鉄・カルシュウム・銅・硫黄などのミネラルが含まれているのです。
このように、私たちの体は宇宙と同じ物質でできています。科学が進歩すればするほど、人体や宇宙の不思議がわかってくるので本当に驚かされますよね (*^^*)
ミネラルは無限ではない!?
ミネラルはビタミンと違い、どんな生き物にもつくることができません(もちろん人間も)。
私たちが動物の肉や野菜から摂るミネラルは、生物の中でつくられたものではなく大地や水から受け継がれてきたものなのです。ですので、耕地にふくまれるミネラル量が収穫される作物の「ミネラル含有量」を決定します。
しかし、日本の土壌のミネラル含有量は欧米に比べて全般的に低いのが現状。これは日本が火山列島であるがために、日本の農地には火山灰土壌の割合が高く酸性の土になりやすいからなのです。
酸性の土は、もともとミネラル量が少なくなります。そのうえ雨が多いので、土壌の表面の層にあるミネラルは水に溶けて流れてしまうんですね (>_<)
例えば、ブロッコリーのカルシウム含有量は、
- 日本産のブロッコリー : 100g中に4.9mg
- アメリカ産のブロッコリー : 100g中に103mg
というデータもあります。
つまり、作物を作ればつくるほど、土壌のミネラルは確実に吸い出されていってしまうことになるのです。
亜鉛の例
平均的な耕地には、亜鉛が50ppm程度しかふくまれていません。ここに亜鉛をふくむ野菜が収穫されると、耕地は1ppmの亜鉛を失います。
理論的には、こうした野菜の収穫を毎年つづけることで、わずか50年で耕地の亜鉛はすっかり吸い取られることになってしまいますよね?
エジプト・イラン・イラクなどの土地では肥沃な土壌で農業に適していたため、数千年にわたって耕地を利用した結果、亜鉛を完全に枯らせてしまいました。
実際に、亜鉛欠乏症はこれらの国々ではじめて確認されたのです。(カール・フェイファ ミネラルの権威者)
それでも1種類の作物を連続して作らないようにしたり、畑を休ませたりしていた時代には土壌にミネラルのロスを回復する余裕はあったはずです。
しかし、同じ土地に同じ作物を連作して、しぼれるだけしぼろうとするのが現在のシステム。当然、ミネラルの損失は大きくなります!
吸い取られた分のミネラルがじゅうぶん補充されていけばいいのですが、そうではないので作物にふくまれるミネラル量はどんどん減っていきますよね・・(´Д`;)

窒素・リン酸・カリウムは3大要素といわれています。通常の配合肥料にはこれらが含まれていますが、他のミネラルが含まれていないのです。
そのために土のなかのミネラルバランスが崩れてしまい、その場所の土壌で育つ野菜に人間が必要とする多種類のミネラルが含まれなくなってしまうのです。
ミネラルの種類
自然界には100種類以上の元素があり、人体の95%は酸素・炭素・水素・窒素で構成されています。そして、残り5%にあたる元素を栄養学ではミネラルとよんでいます。
そのミネラルには、
- 必須ミネラル
- 有害ミネラル
があるので、順にお伝えしていきます。
① 必須ミネラル
栄養素として不可欠なものは必須ミネラルといわれ、現在16種類あります。
健康を維持するためには、この必須ミネラルを毎日の食事で必要な量を摂らなければいけません。

② 有害ミネラル
以下の有害ミネラルを摂りつづけ体に大量に蓄積されると、代謝機能や生理機能が失われるなど、健康障害を引き起こします。
♦ アルミニュウム(Al)
【主な摂取源】
一部の小麦粉・アルミ缶・アルミ調理器具・野菜類・穀物類・豆類・飲料水・土壌・ふくらし粉・プロセスチーズ・胃薬など
【健康障害】
アルツハイマー症候群をはじめ、様々な精神障害・食欲不振・吐き気・体重減少・腹痛・下痢・言語障害・脱力感・関節痛・頭痛・口内炎・息切れ・痙攣
♦ ヒ素(As)
ヒ素は古来より毒薬の代名詞とされ、少量でも強い毒性を発揮します。
【主な摂取源】
魚介類・穀物類・肉類・飲料水・ビール・食卓塩・殺虫剤・殺鼠剤・防腐剤・防カビ剤・ガラス製品
【健康障害】
しみ・肌荒れ・脱毛・嗅覚の喪失・脱力感・嘔吐・むくみ・発疹・疲労感・倦怠感・腹痛・下痢・食欲不振・手足のしびれ・皮膚炎・結膜炎
♦ カドミウム(Cd)
カドミウムは、イタイイタイ病の原因となった公害物質として知られています。
【主な摂取源】
生活環境のなかでは、石油や石炭の燃焼による排出が一般的。
米などの穀物類・魚介類・野菜・土壌・アルカリ乾電池・タバコの煙・合成樹脂製品・自動車タイヤ・電気メッキなどの工場排水
【健康障害】
嗅覚の喪失・水様鼻汁・咳・息切れ・嘔吐・腹痛・くしゃみ・めまい・発熱・易疲労感・体重減少・食欲不振・むくみ
♦ スズ(Sn)
有機スズ化合物汚染で、貝の両性化などが問題になっています。
【主な摂取源】
魚介類・海藻類・殺虫剤・除草剤・歯科装填物(アマルガム)
【健康障害】
神経伝達障害・免疫不全・タンパク質合成阻害・酵素活性阻害・痙攣・精子の減少・代謝障害
♦ 水銀(Hg)
水俣病の原因となった有害ミネラル。水銀は、有機水銀と無機水銀の2つに分類されます。
生活環境で摂取する有機水銀の大部分は魚介類に由来。魚介類を摂取する日本人では高い傾向となっています。
【主な摂取源】
汚染された魚介類・穀物類・飲料水・一部の種子や野菜・利尿剤・歯科装填物(アマルガム)・予防接種便秘薬・マーキュロクロム液・防カビ剤・電池・コンタクトレンズ液・床ワックス・刺青
【健康障害】
うつ状態・皮膚炎・眠気・しびれ・情緒不安定・酸素の活性を阻害・アトピー性皮膚炎・腎臓障害・肝臓障害・歯肉の青化・肢体のしびれ・頭痛・下痢・食欲不振・情緒不安定・中枢神経障害
♦ 鉛(Pb)
鉛の毒性は脳炎・痴呆・肝臓障害。とくに子供の知能低下を引き起こします。また、酵』の働きを妨げ、造血機能を障害します。
【主な摂取源】
ヘアダイ、陶器、絵の具、古い水道など
【健康障害】
食欲不振・頭痛・めまい・興奮・高血圧・貧血・便秘・骨や筋肉の痛み・痙攣・脳血管障害・情緒不安定・うつ・急性腹症・腎炎・関節炎・生殖能力の低下・子供の機能亢進・学習不能・運動失調症
♦ ベリリウム(Be)
ベリリウムは強い毒性があり、金属のなかでも最も有害なものの1つ。わずかな量でも摂取すると死に至ります。
平成11年に改正された大気汚染防止法において、低濃度でも長期的暴露により健康への影響が生じる恐れのある有害大気汚染物質として指定されました。
【主な摂取源】
ベリリウム製品を使用する人には有害な影響はないようですが、原子力関連・X線管・ペースメーカー・レーザー・航空・宇宙分野の先端部分の部品・機械部品・スピーカーの振動板・軍事用電子照準装置・核兵器など、さまざまな製品に使用されています。
これらの仕事で、ベリリウムの粉塵に暴露された労働者に影響があります。
【健康障害】
慢性ベリリウムは暴露から数ヶ月以内で発症する場合や、暴露しなくなってから30年後に発症する場合もあります。つまり、ベリリウムに対する感受性には個体差が大きく影響しているのです。
まとめ
ミネラルはタンパク質・脂質・糖質・ビタミンとならぶ5大栄養素の1つ。カルシウム・鉄・マグネシウム・亜鉛など、その種類は約100種類もあります。
そのうちの16種類は必須ミネラルといわれ、人にとって不可欠なミネラルとなっています。
しかし、健康に悪影響を及ぼす有害ミネラルの存在も覚えておかなければいけません。
不調の改善や、より健康に過ごすためには普段からミネラルを積極的に摂る必要がありますが、私たちの生活の中にはさまざまな有害ミネラルが含まれています。
これを完全に遮断することはできないので、この有害ミネラルと上手に付き合う方法を考えることが大切になってくるのです。
例えば、水銀が含まれているからといって、魚介類を食べないという行為はおすすめできません。なぜなら魚介類は生活習慣病の予防につながるEPA・DHAなど、良質な栄養素をたくさん含んでいるからです。
食べない!ではなく、いわしやさんま、あじなどの水銀量が比較的少ない青魚を選ぶなど、工夫をしてみるといいかもしれませんね (^^)
また、有害ミネラルを身体から出す方法を取り入れることも必要なことです。
私たちが心がけるべきは、「大切なミネラルを摂ること」と「有害ミネラルを身体から出すこと」なのです。
【次回はこちら↓↓】

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