人間の体は60兆個(37兆個という説もあり)の細胞からできていて、その細胞が日々“新陳代謝”を繰り返しながら私たちは生きています。
そこで大切なことは、新陳代謝を繰り返す細胞が“質のよい細胞”であること。そして“質のよい細胞”にするためには体質を変えることが必要である、と以前お伝えしました。
『体質 = 細胞の質』です!
質のよい細胞をつくるには、細胞の原料となっている“栄養素”を必要な量だけとっていく必要があり、原料となっている「栄養素」は次のようなものがあります。
これらの栄養素が“どのようなものか?”を知ることで「元気な細胞にするためにはどうすればいいか?」がわかってくるはずです。
今回は“空気”、とくに近年問題となっている『環境ホルモン』についてお伝えしていきますね。
『環境ホルモン』って何?
『環境ホルモン』が“ホメオスタシス”の機能に影響をおよぼす
私たち人間は『恒常性(ホメオスタシス)維持機能』をもっていて、環境が変化しても“体の状態を一定に保とう”とする働きが備わっています。
例えば、「暑くなったら体が自然に汗をかいて、“体温を調整する”」といったようにですね。
私たちは無意識のうちにこの機能を働かせていますが、「ホメオスタシス」は“3つ”の分野で維持されています。
この3分野が“1つのシステム”として働き、体を「健康な状態」に維持してくれているのですね (*^^*)
いま問題となっている『環境ホルモン』は、私たちの体に“障害や有害な影響を引き起こす物質”のこと。ひとことでいうと、『内分泌“かく乱”物質』です。
この『環境ホルモン』が、「ホメオスタシスの維持機能」を調整するために働いている“内分泌の働き”に影響を与えているのです。
こうした物質は普段“人の体の外”にあり、人体とは全く関係のない物質ですが、その物質が体内に取り込まれると“人のホルモンと似た働き”をします。しかし、これは本物に似せた“偽物のホルモン”なので、“本物のホルモンの働きの邪魔”をしてしまうんですね (>_<)
これが困ったもので、“本物のホルモン”と同じように、“ほんの少しの乱れ”により体の調子も悪くなってしまうのです!!
「ホルモン」と「レセプター(受容体)」は【○と○○】の関係
『環境ホルモン』は、“性ホルモンと同じような作用をするものが多い”のが特徴。これが細胞内に入って正常なホルモンが“かく乱”されると、「性決定のメカニズム」がくるってしまいます。そして“生殖機能”に影響がおきやすくなってしまうのです。
では、どのようにして“環境ホルモンが影響”を与えるのでしょうか?
「内分泌器官」から分泌されたホルモンは、目的とする細胞“核内”の「受容体(レセプター)」と結合して、はじめてホルモンの効果を発揮します。
この「ホルモンと受容体」の組み合わせは“1対だけ”と決まっており、【鍵と鍵穴】の関係に例えられています。
例えば、「卵巣」や「乳房」の細胞にはたくさんの“エストロゲンレセプター(エストロゲンの入口)”がありますが、そのレセプターからホルモンは細胞のなかに入って働きます。
ところが、『環境ホルモン』は“エストロゲンと似たような形”をしているので、環境ホルモンがエストロゲンを“押しのけて”、「エストロゲン・レセプター」から細胞のなかに入ってきてしまうのですね (;´Д`)
『環境ホルモン』は“どこから入ってくる”のか?
こんな人間に“害”を及ぼす『環境ホルモン』ですが、私たちの生活なかで“かなり身近”なところから入ってくるんですね (・・;)
①「魚」や「海藻」から
『環境ホルモン』は、主に“食べ物を通して”体のなかへ入ってきますが、1番多いのが【ダイオキシン】です。
日本人は【ダイオキシン】の“約60%”を「魚介類」から摂っています。
“海岸に近い”ほどダイオキシンで海は汚染され、そのあたりに住む「魚介類」は汚染されているのです。そして、ダイオキシンは「脂肪層」に蓄積されるので、“脂肪が多い魚ほどダイオキシン濃度も高く”なるんですね。
魚は「オメガ3」の供給源ですが、海が汚れているので“毎日魚を食べるのはやめる”のが無難です(>_<)
また、下の図のように「小魚」のほうが“大きい魚に比べて環境ホルモンの量が少ない”ことがいえます。
国によっては、『妊産婦はマグロを食べないように!』という注意があるほど“海の汚染”は深刻になっているんですね (>_<)
②「野菜」や「米」、「果物」から
“中国産”野菜の農薬が問題になりましたね。実は、『環境ホルモン』の疑いがある物質の“60%~70%は農薬”です。
農薬は“除草剤・殺虫剤・殺ダニ剤”など、たくさんの種類で使われているので、できるだけ“有機農法”の「野菜」や「果物」・「米」を食べるようしたいものですね。
調理するときに、“皮をむく・しっかり洗う・湯でこぼす”などで農薬をある程度“減らす”ことができます。
健康のために「玄米」を食べる方もいますが、精製した米にくらべて“玄米のほうが農薬が多く含まれて”います。食べるとしたら『有機農法の玄米』をおすすめしますよ (*^^)v
③「プラスティック製品」から
私たちの日常生活には、安くて便利な「プラスティック製品」であふれていますよね?
例えば、「給食の食器・哺乳ビン・CD・OA機器・お椀・お箸・食用ラップ・カップ麺・ペットボトル・・etc」。じつはこれらからも『環境ホルモン』が“わずかづつ”ですが溶け出しているんですね。
とくに「プラスティックの食器」に食べ物をいれて電子レンジで温めるのは、環境ホルモンが“溶け出し”て、とても危険です!
④「大気」から
ゴミの焼却場で発生した「ダイオキシン・ジーゼル粉塵・殺虫剤・農薬・抗菌・防臭・防カビグッズ・床などの合板接着剤」などからも、“有害な化学物質”を体に取り込んでいます。
最近は中国大陸から飛来する『黄砂』にも、“PM2.5”をはじめ「有害な化学物質」がふくまれいます。
⑤「医薬品」や「化粧品」から
「合成の女性ホルモン、アトピー・膠原病治療・関節リウマチ・気管支喘息などで使用される“ステロイド系ホルモン”や“インスリン”」などは“分子構造”が違うために、人の酵素では分解できません。
『肝臓』は、これらを分解するために“オーバーワーク”になって機能が低下してしまうのです。
これらの薬品は完全に分解されずに、“尿や便のなかに排泄”されて下水処理現場に入ります。そして下水処理場では「ステロイド系ホルモン剤」や、薬の“60~80%”は完全に除去できず、川や海に「環境エストロゲン汚染」を引き起こしてしまいます。
また、これらの医薬品は“上水道から水道水”に取り込まれた後、私たちの体に入り、『環境エストロゲン』として“エストロゲン優位”になるという悪循環も起きているんですね (>_<)
⑥「水道水」から
「水道水」には“消毒のための塩素”をはじめ、“工場の排水・農薬・殺虫剤・合成ホルモン”など、数百種類の“汚染物質”が入っています。
これらの「汚染物質」は、私たちの体内で『環境ホルモン』になります。
お風呂やシャワーのお湯は、水道水を飲む“数十倍も多くの汚染物質”を皮膚から吸収することになるのです。
私たちの体の“70%~80%”は『水』なので、“もっと健康になりたい・体の働きを高めたい”と思うなら、“水をじゅうぶんに摂る”ことが必要になってきます。
目安としては“1日2リットル以上”ですが、大切なのは“安全な水”を摂ること。「飲み水」や「お風呂」には、これらの“汚染物質”を完全に除去できる「浄水器」をつけることが必要ですね。
⑦「家のなか」にも
何気なく使っている「噴霧器式の殺虫剤・衣類の防虫剤・建築や家具から揮発する化学物質・抗菌グッズ・口臭や体臭の防臭剤・シャンプー・衣類の柔軟剤・石油系の化粧品・マニキュアの除光液」なども環境ホルモンです。
“寝室”には、これらを置かないようにするのが望ましいですね。
「ナプキン」からも“化学薬品”が体内にはいります。「布ナプキン」や“化学物質”が含まれないものを使うことをおすすめします。
まとめ
『環境ホルモン』という、“言葉そのもの”を知っている方は多いかもしれません。
しかし・・・
- 『環境ホルモン』とは“どのようなもの”なのか?
- 体に“どんな影響がでている”のか?
ということは、“ほとんどの人がはっきりと理解していない”かもしれませんね (>_<)
『環境ホルモン』の影響は、「生殖機能の異常・免疫力低下による健康障害・行動異常」が現れます。
とくに問題なのが、“母親が環境ホルモンにさられる”と『胎児や乳幼児ほど被害を受けやすくなる』ということ。さらに大人になってから“ホルモンの影響がでてくる場合がある”ということです。
『環境ホルモン』の本当の“怖さ”と“深刻さ”は、『親よりも“この世代”に大きく影響を及ぼす』ことなんですね (;´Д`)
そこで次回は『胎児や乳幼児が受ける環境ホルモンの影響』、また『そのような環境ホルモンから“身を守る”にはどうすればいいか?』についてお伝えしていきますね (^^)
【次回はこちら↓↓】
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