前回は、『精神的ストレス』の要因の1つとなる「ネガティブ思考」についてお伝えしました。
ここでは、「ネガティブ思考」を引き起こすのは【思考性防衛本能】という“思考グセ”のためであるとお伝えしています。
この“思考グセ”はあなただけではなく、私たち人間ならば必ずもっている本能です。しかし、問題となるのは“【思考性防衛本能】に過剰に引きずられると、病気の症状が悪化してしまう”ということ。
そこで今回は、『なぜ、過剰な【思考性防衛本能】が病気を引き起こしてしまうのか?』について、“医学的”にお伝えしていきますね (^^)
『大脳新皮質』と『脳幹』について
“人間だけ”にある『大脳新皮質』とは?
まず、あなたに最初に知ってほしいのは“脳は場所によって働きが違う”ということです。
次の絵をみてください。
例えば、あなたが普段の生活において“頭で考えたり想像したりする”脳の場所を『大脳新皮質』といいます。
場所は脳のいちばん外側。頭蓋骨(ずがいこつ)に近い方にあって、“人間にしかない”と言われているんですね (°д°)
人間はこの『大脳新皮質』があるおかげで、“考える・想像する”ということができます。そのため文明をつくったとも言われているんですよ (*^^*)
“自律神経をコントロール”する『脳幹』とは?
そして、「心拍」や「呼吸」をコントロールしている場所があります。
それが『脳幹』と言われる場所。どんな動物も呼吸をしたり心臓を動かして生きているので、『脳幹』は“人間だけでなく爬虫類・両生類・魚類にも”あるのです。
『脳幹』は脳の“いちばん内側”にあり、「自律神経の隊長さん」です。そう、以前お伝えした“小人の隊長さん”を思い出してください (^-^)
つまり、“自律神経をコントロールしているのは脳幹”であり、その隊長さんの命令に従うのが心臓や血管などの「各臓器」になります。
ところでこの『脳幹』なのですが、実は“考えること(=思考)ができない”のです・・(^^;)
簡単にいうと、“体や脳の各部分からの刺激で反射的に動くことしかできない”。つまり、あなたの想像しているものが「現実なのか想像なのか?」の区別がまったくできないということです。
ここはとても大事なので、もう一度お伝えします。
“『脳幹』は、現実と想像の区別がまったくできない”のです!
【思考性防衛本能】が働くのは“人間だけ”!
ここで一度、整理してみましょう。
- 『大脳新皮質』= 考える(思考)・想像する「脳」⇒ 人間にしかない
- 『脳幹』=「呼吸」や「血圧」などをコントロールする。現実と想像の区別ができない ⇒ どんな生き物にもある
例えば、トカゲは「脳幹はあるけれど、“大脳新皮質はない”」のです。つまり、“トカゲは考えたり想像したりしないけど、呼吸や心臓を動かしたりする”ということ。
つまり、“【思考性防衛本能】がない”ということです。
そうですよね・・。だから考えたり、想像する人間は“大脳新皮質があるために【思考防衛本能】が働く”んですね (^^;)
なぜ、『思考性防衛本能』が“過剰”に働くと「病気」になってしまうのか?
【思考性防衛本能】は“○○体験”をしてしまう・・
では、ここで本題に入りましょう。
【思考性防衛本能】が“過剰”に働くと、「なぜ、病気になる」のでしょうか?
じつは【思考性防衛本能】は考えたり想像するだけでなく、『衝撃的な映像』などは“自分で見たり聞いたりするのと同じ状態”になるのです。つまり、“自分がその映像をあたかも体験しているように感じ取ってしまう”ということ。
例えば、現代はテレビがあるので「ネガティブな情報」が目からも耳からも入ってきます。
震災の衝撃的な映像、戦争の光景、犯罪場面・・・。これらネガティブな出来事を“疑似体験”してしまうんですね (´Д`;)
また、世間もそのようなニュースばかりを流す傾向があります。当然、衝撃的な本を読んでも同じことがいえます。そこから様々な“考え・気持ち・思い”が始まり、『脳幹』はそれに反応するだけなのです。
“ネガティブな○○体験”が、「ストレス」を引き起こす!
そのような反応により、“実際には受けていないストレスを感じる”ようになってしまうわけです。すると、どうなるでしょうか・・?
必然的に“ストレスが多くなってしまい”ますよね (>_<)
ストレスが多くなると『脳幹(隊長さん)』は疲労をおこしてしまい、心臓や血管など様々な臓器に“狂った指令”がいってしまいます 。
そして、その狂った指令に従っている心臓も「これは間違った指令だ!」と思わずに、その指令通りに動いてしまうんですね。
これが、よく聞く『自律神経の乱れ』といわれるもの。この“乱れ”がひどくなると「自律神経失調症」や「うつ病」と診断されてしまいます。
また症状として心臓がドキドキしたり、心臓が一瞬止まってしまう「不整脈」の“もと”になります。
その他の症状としては、「めまい」が多いですね。
『脳幹』の役割の1つとして、“平衡感覚を保つ”という働きがあります。ですので、“脳幹が狂ってしまうと平衡感覚がうまく働かなくなり”、結果として「めまい」を起こしてしまうのです。
“耳に外傷がない”のに「めまい」がするのは、ほとんどこれのせいですね (;´д`)
(※『自律神経が乱れることによって起こる体の不調』については、こちらにも詳しく書いてあります。)
この場合『脳幹』に問題があるので、耳鼻咽喉科で診てもらっても「安定剤」だけで帰されてしまいます。じつは“耳の問題ではない”ので、耳鼻科の先生も困っていたりするんですね (>_<)
さらに、『副腎ホルモン』もたくさん使われてしまうため“症状がでる”、あるいは“悪化してしまう”可能性もでてくるのです。
(※「副腎ホルモン」についてはこちら)
さて、いかがだったでしょうか?
今回は、『なぜ、【思考性防衛本能】に引きずられると病気になってしまうのか?』を“医学的”にお伝えしました。しかし、医学的な用語が多くて分かりにくかったかもしれませんね (^^;)
そこで、次回は【思考性防衛本能】についてもっと“分かりやすく理解できる”よう、“体験的”にお伝えしていきます (*^^)v
【次回はこちら↓↓】
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