『アミノ酸バランス』のよい食事をする方法とは?“偏った食べ方”の解消法!

前回は『タンパク質の働き』と『タンパク質が不足することによる体への影響』についてお伝えしました。

タンパク質はペプチド結合といって、“アミノ酸”という真珠が鎖のように連なったネックレスの構造をしています。

食べ物を食べると、タンパク質をつなぐペプチド結合が消化酵素で切り離され、アミノ酸に分解。その後、アミノ酸は各細胞に運ばれてDNA遺伝子を基に組み合わされてタンパク質として使われます。

牛乳・卵・大豆・米など、さまざまな食べ物にタンパク質は含まれていますが、食べ物によってアミノ酸の構成は違ってきます

そのため、タンパク質を含む食べ物を食べても、それがすべての人間の体のタンパク質として利用できるわけではないのです。

では、タンパク質をうまく人間の体に取り込んで利用するためにはどうすればいいのでしょうか?

それは、“アミノ酸バランスの良い食事”をすること。

そこで今回は、『アミノ酸バランスの良い食事をするにはどうすればいいのか?』についてお伝えしていきますね (^-^)

目次

『アミノ酸スコア』

『アミノ酸スコア』ってなに?

人間のタンパク質をつくるには“22種類”のアミノ酸が必要です。そのうち9種類は人間の体では合成することができず、食べ物から摂らなければならないので必須アミノ酸といわれています。

必須アミノ酸が含まれている比率をアミノ酸スコアといい、“タンパク質が人の体でどのくらい有効に利用されているか?”の目安となります。

例えば、大豆はタンパク質が豊富に含まれていると言われていますが、含硫アミノ酸の“メチオニン”“シスチン”というアミノ酸が少なく、アミノ酸スコアは86。このため、大豆ばかり食べていると“メチオニンが足りない体”に欠陥が現れてくるのです。

また、米は“リジン”が不足しているので、この不足分を補には一緒に“豆類”をたべること。リジンは豆類には豊富に含まれているので、穀類と豆類を組み合わせるとアミノ酸スコアはあがります。

穀類(2)に対して、豆類(1)を食べるのが理想のパターン。世界中の伝統食はどれもこのパーターンが多くなっていますね (*^^*)

“動物性”タンパク質は『アミノ酸スコア』が高いが・・・

毎日の食事のなかで“アミノ酸スコアの高いものだけ”を食べれば、当然スコアは高くなります。

ここで、アミノ酸スコアを見てみると“アミノ酸スコアが高い =「動物性タンパク質」”であるのがわかるでしょうか?

そう、私たち人間も動物なので、“動物性タンパク質”を多く摂れば手っ取り早いのです。しかし、それでは同時に脂肪も多く摂ってしまうというデメリットもあるということ。

さらに動物性タンパク質には、脂肪以外にも抗生物質・成長ホルモン・ダイオキシン・水銀・塩素系農薬などの“有害物質”が含まれていることが多いのです。

また、ハムやソーセージ・ハンバーグなどの加工食品は“不健康な部分”の肉が使われていたり添加物も加わったりしています。

肉を食べるなら健康的に育てられたものを“1週間に1~2回まで”にし、“1回に50gくらい”が害のない量です。卵は“健康的に育てられた鶏の卵”なら、毎日食べても差し支えありません。

魚も汚染を考えると、養殖ではない“小さめの魚を1週間に1~2回”にして、「亜麻仁油」で魚の脂肪を補ったり工夫をしてみてくださいね。

100gに含まれる「タンパク質」と「脂肪」
  • 牛肉(サーロイン)100g ⇒ タンパク質:11.7g / 脂肪:47.5g
  • 豚肉(バラ)100g ⇒ タンパク質:14.2g / 脂肪:34.6g
  • 鶏肉(手羽先)100g ⇒ タンパク質:23.0g / 脂肪:10.4g
  • 鶏卵 100g ⇒ タンパク質:12.3g / 脂肪:10.3g
  • 牛乳 100g ⇒ タンパク質:3.3g / 脂肪:3.8g
  • 生クリーム(乳脂肪)100g ⇒ タンパク質:2.0g / 脂肪:45.0g
  • カマンベールチーズ 100g ⇒ タンパク質:19.1g / 脂肪:24.7g
  • いわし 100g ⇒ タンパク質:21.3g / 脂肪:4.8g
  • さば 100g ⇒ タンパク質:30.7g / 脂肪:12.1g
  • さんま 100g ⇒ タンパク質:18.5g / 脂肪:24.6g
  • するめいか 100g ⇒タンパク質: 18.1g / 脂肪:1.2g
  • 七分づき ご飯 100g ⇒ タンパク質:3.6g / 脂肪:0.5g
  • あずき 100g ⇒ タンパク質:8.9g / 脂肪:2.2g
  • ゆで大豆 100g ⇒ タンパク質:16.0g / 脂肪:9.0g

※100gのなかに“脂肪”が多いと、タンパク質を摂っているつもりでも脂肪を“摂り過ぎ”てしまいます

10gの「タンパク質」を摂るには?
  • 豚肉(バラ)⇒ 71g
  • 鶏手羽先肉 ⇒ 43g
  • 鶏卵 ⇒ 81.3g
  • 牛乳 ⇒ 303g
  • 七分づき ご飯 ⇒ 278g
  • いわし ⇒ 470g
  • 大豆(乾)⇒ 28.3g
  • あずき(乾)⇒ 49.3g
  • きゅうり ⇒ 1.000g
  • ねぎ ⇒ 2.000g

※魚は栄養的には優れていますが、環境ホルモンの問題があります。日本人は環境ホルモンを魚から“たくさん取り込んでいる”のです。

“「アミノ酸バランス」のよい”食事をするには?

『タンパク質』は“必要量”を摂ること!

タンパク質(主に動物性)を過剰にとると痛風骨粗鬆症肝臓や腎臓の機能低下排卵機能障害不妊がんアレルギー糖尿病など、たくさんの病気の原因となっています。

また、動物性タンパク質過剰の人の便がくさいのは、臭いのもととなっている“インドール”“スカトール”が原因。これは未消化のアミノ酸のせいで、特に男性や子供は動物性タンパク質の摂り過ぎに気をつけることが大切になってきますね。

反対に“極端な菜食”をしたり、間食が多く三度の食事がじゅうぶんでなかったり、ダイエットをしすぎると・・、

  • 生理が止まる
  • 免疫力が低下して、風邪をひきやすくなる
  • 疲れやすい
  • 気力がでない

などの問題がでてきます。

では、このような問題を起こさないためにはどうすばいいでしょうか?

それは、米を主食にして“みそ汁・豆類・野菜・少量の動物性タンパク質”の組立により“バランスよく「アミノ酸」を摂るようにする”ことです。

先ほどお伝えしたように、豆やゴマ、雑穀を加えることで米に少ない“リジン”を補う工夫もできます。

また、タンパク質を分解するたには、ビタミンB群(特にB3・B6)・カルシウムが必要になりますが、これらの栄養素は肉や卵より、豆・魚・米に多く含まれているのです。そのため消化されやすくなるんですね (^^)

“ナッツ”類を食べよう!

“ナッツ”はタンパク質を含め、さまざまな栄養素が豊富で料理のレパートリーも広がります(*^^)v

ナッツ類を約28g食べると、“約8gのタンパク質”が摂れます。

もちろんナッツ類をたくさん食べて、さらに間食や食事を普通にすれば太ってしまうの注意!!ですので、ナッツ類は間食や食事のメニューで“肉の代わり”に使うのがいいですね。

また、ナッツ類は加熱したり食塩で味付けしたりしない“生のもの”を買うのがオススメです。

そして“生”のナッツをそのまま食べるのではなく、“一度水に浸す・軽く炒める”などして食べるようにするのがベスト。なぜかというと、ナッツやタネ類は“死んではいないけれど、眠っている状態”だからです。

これは酵素抑制物質が働いていて、この状態で食べてしまうと“消化不良”を起こしてしまう可能性があるから。必ず水で戻してから食べてくださいね (^^;)

水に浸す時間として説はさまざまですが、だいたいの浸水時間の目安は次の通りです。

「水に浸す時間」の目安
  • クルミピーカンナッツ ⇒ 2時間
  • かぼちゃの種ひまわりの種 ⇒ 4~6時間
  • そばの実 ⇒ 6時間
  • カシューナッツフラックスシド ⇒ 8時間
  • アーモンド ⇒ 12時間

浸水する必要のないナッツ類 ⇒ ブラジルナッツヘーゼルナッツ松の実など。

動物性タンパク質より“植物性タンパク質”を多く食べよう!

例として“植物性タンパク質”を多くとることで、妊娠や排卵に関して次のようなデータがあります。

  • 1日の食事のうち“1食分”を赤みの肉や鶏肉にしたところ、排卵障害による“不妊のリスクが1/3増加”する
  • 卵や魚を1日1食分摂っても、排卵障害による“不妊には影響がない”
  • 豆や豆製品・ナッツ類を1日1食分摂ると、排卵障害による“不妊に予防効果がある”
  • 25g炭水化物をへらして、25g植物性タンパク質を増やすと“不妊のリスクが43%も減少する”

このように、動物性タンパク質を多くとると“排卵障害”が増えるのです。

考え方を柔軟にしよう!

人間は、タンパク質を摂ることが毎日必要です。

“動物性タンパク質は絶対食べない!”といったような極端な食事法もありますが、それではビタミンやミネラル・その他の栄養素が不足してしまうかもしれません。

ですので、できるだけ多くの種類の食べ物からタンパク質を摂り、タンパク質の半分は豆類やナッツ類・雑穀野菜などの『植物性タンパク質』にすることが望ましいですね (^^)

その他に魚や卵・鶏肉を食べ、赤身の肉や乳製品は特別なごちそうにしてみてはいかがでしょうか?

※1回枚の食事の「タンパク質の総量」は、“手のひらの大きさ・厚さ”を目安にしてみてくださいね。

『タンパク質』と“アレルギー”

消化されないタンパク質はアレルギーをおこします。それを避けるためには“一度に大量のタンパク質を摂らない”こと!

そして、タンパク質のおおい食品は“同じ食品を3~4日以上食べ続けない”ようにしてみてください。

まとめ

『アミノ酸スコア』は“質の良いタンパク源”を知るためにはとても重要な数値となります。

そして、「タンパク質」を上手に摂るためには“食事内容のトータル”でアミノ酸スコアの高い食事をすることです。

動物性タンパク質を意識したりナッツ類を食べるなど、それぞれのアミノ酸スコアを考えながら、“バランスの良い”食事を心がけてみてくださいね (*^^*)

【次回はこちら↓↓】

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